花開く歌声

私はオペラ歌手をしている。

本業は演奏活動ではあるが、発声や歌を教える仕事も平行して行なっている。

プロ志望から趣味、音痴を治したいという方まで、あらゆるニーズの生徒さんたちと関わらせていただいている。

年齢層も様々で、10代の学生さんから中堅世代のサラリーマン、60代以上の方々も私の生徒である。

自分が音楽というものを生活の中心に置いて毎日を過ごしていることもあり、まっさらな気持ちで音楽を聴いて楽しむ、ということができなくなっていると最近しばしば感じる。

歌は日頃の努力の積み重ねで上達するものであるし、『完成』『完璧』といったような明確なゴールもないので、自分自身が毎日学び、悩んでいるという事実もある。

そんな中、最近では自分の生徒さんたちが人前で歌う機会が増えてきている。

1年前は全く声が出ず、音域が狭いため歌うということを苦痛に感じてしまっていたと相談して下さった方々が、堂々と自分の声を歌をお客さんに伝えている。

私は出来る限り、生徒さんたちの本番は見届けに伺うようにしている。

普段のレッスンでは得られない経験を、今まさに積んでいる彼らの姿を見ていると、自分も負けていられない!もっと頑張ろう!と力を付けてもらえるような気がする。

今は3月。春がもうすぐやって来る。

みんなの歌声も花開く時間を目指して、それぞれの道に進んでもらいたいと思う。